”ニューサウスウェールズに住んでいた一人として、最近のオレンジ地方の爆発的人気ぶりには非常に感激しています。
同地域は、りんごの産地として有名ですが、さらに、新しいスタイルのオーストラリア料理が、ニューヨークからシンガポールまで、フード界の話題となっています。
そのような中で、食肉の需要・供給はさらに増加しています。中でも私が最も注目しているのは、これまでの”過熟した感のあるオーストラリアワイン”、といった固定観念を覆すべく、冷涼産地のワインスタイルが数多く登場していることですね。
そしてやっとのことで、この活気溢れる同地を訪問する機会を得たのはつい先週のことでした。標高1200m程で栽培されたブドウを使用した、数多くのすばらしいワインを味わいました。その標高の点で、ルーシヨンやシチリア島のエトナ山のワインのような多様性を持つ人気ワインにも負けず劣らず、様々な表情を持っています。生産者は幅広いワインの中で、一貫性を保っているのです。その中でも、ローガンワイン、特にウィマーラシリーズは、並外れたコスパをみせる醸造所だといえるでしょう。
ローガンワインは、各品種の特徴を純粋に表現していますが、ウィマーラは特にずば抜けており、シリーズ全てのワインから造り手の賢明さを感じることができます。
飲み手の私としては、実はピノ・グリをあまり楽しめていませんでした。何か一体感がなく、ぼってりしていたり、またやせ細って味気ない仕上がりになりがちです。しかし、ウィマーラはそのどちらでもなく、例えば洋ナシのジェラートや、りんごのノートと、そして見事なフェノール成分のバランス感は、まさにお手本ともなるべき、ブラボーな仕上がりです。
ローガン・ワインズの、ゲヴュルツトラミネール種のワインは、ブドウ品種の特徴が素直に表現されており、高い標高から生まれるフレッシュさを感じることができ、やせ細っているのでもなく、安い香水のようなものでもなく、アロマが明確で整っています。 心地よいスパイス、ライチのアロマをしっかりと捉えてくれる口当たりです。ピノはいきいきとして、エレガントで特に複雑な味わいというわけではないですが、見事なコスパをもっています。一方で、シラー/ヴィオニエは、品種の持つ滑らかな味わいの中で、あら挽きのコショウ、泥炭やスミレを感じます。
私が味わった中で最も驚いたのは、シルキーな、口当たりの良いメルローでしょうか。ロワールワインの印象も受けつつ、しかしもっと大胆なスグリのノートや、非常に高いレベルのブドウの熟成感を持っていました。
ワインに対する日本市場の現実は、より安価なワインを求めています。私個人の見解としては、ほとんどの日本の消費者はワインの質をわかっておらず、単にワインは“価値”を感じさせてくれると信じたいだけのように感じます。そしてその謎めいた”聖杯”に対して、何度も耳にしてきてきたフレーズ”コスパが高い!“でまとめてしまっています。残念ながら、価格重視の多くのワインは、美味しいとはいえません。それは単に安いからです。
逆に、ウィマーラシリーズは、ここ2年間で私が味わったワインの中でも、最も”コスパが高い!”と自信をもって言えるワインです。 同ワインは、まさに”コストパフォーマンス、”の定義づけであり、飲み手が、フィネス感、繊細さ、そして財布を気にすることなく細部までも楽しめる喜びを与えるものだといえます。”
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